ご挨拶

マーケティング環境の変化が著しい近年。インターネットの進展によりネットとリアルを行き来する顧客との関係性構築は困難を極めています。顧客との長期的関係の構築、維持、さらにはエンゲージメントの構築は多くの企業にとって最重要テーマといえるでしょう。

そのような状況の中、海外の先進的企業では、新たな顧客体験の提供を目的にITやAIを活用した、新しいサービス開発、事業開発また、生産性の向上に取り組んでいます。

例えば、米Amazon、中国アリババ、テンセントグループはオンラインにおける顧客との繋がりを活かして、新しい店舗体験の提供、IoTデバイスを活用した新しい顧客との繋がり、タッチポイントの構築を次々に展開しています。

このように、グローバルな競争社会においては、凄まじい速さで多くの企業が、モバイルを中心した技術活用に挑戦しながら、経営戦略の中に顧客との新しい関係性作りを据え、企業改革を推進しているようですが、日本の企業も同じように、変革は進んでいるのでしょうか?

デジタル化が進む社会とマーケティング活動において、顧客関係の構築と維持発展手法は大きく変化して行きます。この波に日本企業は後れを取っているのではないかと、危惧するところであります。

我々が先ず取り組むべき課題は、顧客との関係性の再構築であり、それはマーケティング全般に渡る改革であり、この改革を進めていく必要性を痛感しております。

マーケティングによる企業と顧客の関係性構築は以下の二つのフェーズで考えられます。

・アクイジション(新規顧客獲得)

・リテンション(既存顧客維持、育成)

将来に向けての人口減少に伴い、低成長或いは縮小する日本国内の市場においては、特にリテンション領域の重要性は、今後、益々高まるものと思われますが、多くの事業会社が広告宣伝を中心としたマーケティング活動に予算を費やし、新規顧客獲得に偏った活動を推進しているようです。

この活動は多額の費用をかける分、その効果・効率に対する研究、学習もかなり進んでいるようですが、一方のリテンション領域については、新規顧客獲得活動に比べ、企業の予算配分は小さく、場合によっては明確なリテンションの意志を持っての予算化すらされていない場合も、少なからず見受けられます。「お客様との永続的関係性の構築」は商売の原点であり、また、基本中の基本でもありますが、マーケティングの領域として捉えてみると、その重要性の理解は未だ不足しております。

しかし、デジタルでお客様と繋がれる現代は、顧客理解の可視化と関係性強化に大きく寄与する可能性があります。昨今のモバイルデバイス利用の急速な拡大において、今まで可視化が難しかった「個客」の獲得までの過程から、購買時、購入後の使用のフェーズまでのカスタマージャーニーを把握することが徐々に可能になっています。マーケティングの進化は「顧客」を「個客」に変えていこうとしています。

そのような状況下、当協会はリテンション領域のビジネスインパクトを認識することから始め、この領域の研究、学習を通しそのノウハウの確立を目指してまいります。新しい時代の顧客関係構築を目指し、これからの大きな変革の時代に備える。この道程を示すことに挑戦する協会でありたいと思います。

以上のような主旨に基づいて、当協会は、非営利目的で、リテンション領域の確立のため、そのマーケティングのノウハウを研究、学習、確立する場として、日本経済の発展の一翼を担う所存でございます。

未来の日本経済、これからの顧客関係をともに考え、挑戦する多くの方々の賛同をお待ちしておりますので、どうか、協会の主旨をご理解頂き、ご入会賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

代表理事

奥谷 孝司 

オイシックスドット大地株式会社 執行役員 統合マーケティング部・店舗特販事業部管掌 店舗特販事業部 部長  COCO

プロフィール

1997年良品計画入社。3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向しドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。
2005年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。
2010年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。
2015年10月よりオイシックス株式会社入社。統合マーケティング室 室長 Chief Omni-Channel Officerに就任。
2016年10月より執行役員 統合マーケティング部 部長 Chief Omni-Channel Officer。
2010年早稲田大学大学院商学研究科夜間主MBAマーケティング・マネジメントコース(守口剛ゼミ)修了。
2017年4月一橋大学大学院商学研究科博士後期課程(在学中)
2015年4月日本マーケティング学会常任理事就任(2017年より理事)。
2017年10月 株式会社Engagement Commerce Lab.設立